投稿者: kokoronohane

  • 前任者は会社の天秤だった。いなくなった瞬間、家族経営の歪みが私に降りかかった

    前任者は会社の天秤だった。いなくなった瞬間、家族経営の歪みが私に降りかかった

    前任者が退職した瞬間、会社のバランスは崩れた。
    労務管理は手付かずのまま放置され、
    電子帳簿保存法の対応も誰も手をつけていなかった。
    結局、それらすべてを担うしかなかったのは私だった。

    気づけば私は、
    家族・経営・経理・調停役
    この4つを同時に背負わされていた。

    経理としての責任。
    労務としての責任。
    法対応としての責任。
    家族としての立場。
    兄弟の対立の緩衝材。
    姉の個人的な金銭問題の窓口。

    経理+労務+法対応+家族調整。
    本来なら複数人で分担するはずの仕事を、
    私はひとりで抱え込むしかなかった。

    兄の味方をすれば、弟とその家族が不信感を抱く。
    弟の味方をすれば、兄が孤立し怒りを向ける。
    姉の味方をすれば、会社の立場が危うくなる。
    会社の味方をすれば、家族から責められる。

    どこにも安全地帯がなかった。

    だから私は、
    誰の味方にもなれず、中立でいるしかなかった。
    それが唯一、自分を守る方法だった。

    姉からの連絡への線引きも必要だった。
    兄と弟の間に入らないための言い回しも覚えた。
    経理としての責任と家族問題を切り離す方法も考えた。

    私は壊れかけていた。
    追い詰められたその先で、
    心の負担を減らすための“現実的な対策”を考えるしか、
    逃げ道はなかった。

    麻辣湯にまだまだはまってる。自宅で作ってみようかな。


  • 経理としての居場所が奪われていく──同族会社で感じた静かな圧力

    経理としての居場所が奪われていく──同族会社で感じた静かな圧力

    今思えば、前任経理は会社の中で舵取り役のような存在だったのかもしれない。

    私は違う。
    立場も権限もない。
    だからこそ、風当たりは強かった。

    「前任者のようにしてはならない」
    そんな無言の圧力を、確かに感じていた。

    気づけば、私から“生き残るためのすべて”が奪われていた。
    言葉を発さなくてもいい流れが、自然と作られていた。

    この環境で、私はただ生き抜くしかなかった。

  • トップ2名の関係が悪化したきっかけ【第3話】

    トップ2名の関係が悪化したきっかけ【第3話】

    私は、前任の経理である叔母に助けを求めることが多く、
    退職後もしばらくは頻繁に連絡を取っていた。

    プライベートでも顔を合わせることがあり、
    私たちの子どもまで可愛がってもらっていた。
    独身の叔母にとって、家族のように接してくれていたのだと思う。

    ただ、その距離の近さが時に負担になることもあった。

    「素直じゃない。素直に受け取りなさい」
    「いや、親でもそんなことしないですよ」

    そんな押し問答が何度もあった。
    最終的には義母に説得され、
    「ありがとうございますって言いなさい」と言われ、
    渋々ご厚意を受け取るしかなかった。

    感謝していないわけではない。
    出来ることはしなくてはいけない──
    その時は、そう思うしかなかった。

    今が旬のホタルイカ。手に入ったのでホタルイカ炊き込みご飯作ったら、最高でした。上にブロッコリースプラウトを添えたら益々おいしかった。


  • トップ2名の関係が悪化したきっかけ【第2話】

    トップ2名の関係が悪化したきっかけ【第2話】

    私はパイプ役として徹していた。

    前任の経理が辞めてからも、親戚(叔母)という立場のおかげで
    しばらくは連絡を取らせてもらっていた。

    いなくなってからは、不安になる局面が何度もあったからだ。
    その連絡に、私は何度も助けられた。

    しかし、そのやり取りが
    のちに“催促の電話”へと変わっていくとは、
    この時は、知るよしもなかった。
  • トップ2名の関係が悪化したきっかけ【第1話】

    トップ2名の関係が悪化したきっかけ【第1話】

    これは会社内でよくあることでもあると思う。

    兄・弟・姉──この3人で当時は会社をやっていた。

    昔でいう、傲慢な殿様経営によくあるタイプだ。

    私が入社したときには、違和感は感じなかった。
    むしろ、仲のいい兄弟なんだなと思っていた。
    親戚付き合いもそれなりに良好だった。

    いつからだろう……
    私が違和感として感じ始めたのは。

    前任経理が退職してから、関係は急にぎこちなくなった。
    いや、もともと悪かったものが表に出てきただけなのかもしれない。

    姉だからだ。
    姉はどうにかこうにか、兄弟の不仲を取り持ってきていたのだ。
    姉だから、尽くしていた。

    私は立場が違う。
    尽くす理由が見当たらない。

    そのことに気づくまで、少し時間がかかった。

    そして前任経理が辞めたあと、
    解決されずに積み残されていた問題が一気に噴き出し、
    兄弟の不仲は加速していくことになる。
  • 経理の視点で見えた異変【第4話】

    経理の視点で見えた異変【第4話】

    私は、このことに気づいたのは本当に最近だ。
    「何がパイプ役なの?」と思うかもしれない。
    けれど、私の“立場”そのものがパイプ役だったのだ。

    同じ空間にいても、言葉ひとつ交わさない。
    人づてに伝えるだけで、話し合わなけあればならないことも、向き合って話し合おうとしない。

    その結果、私は両方の意見の“吐き出し口”になった。
    パイプ役を続けるうちに、心が壊れていった。

    一人は不機嫌をまき散らし、まるで私が悪いことをしたかのように振る舞う。
    もう一人は、相手の愚痴を延々と私にぶつける。

    私はふと思った。
    私は何を見せられて、何を聞かされているんだろう。

    誰も前に進もうとしない。
    解決しなければならないことは、何ひとつ解決しない。
    その構造の中で、傷つくのはいつも私だけだった。

    気づけば、私に残された場所は“吐きだまり”しかなかった。

  • 経理の視点で見えた異変【第3話】

    経理の視点で見えた異変【第3話】

    トップ2名が、互いにほとんど口をきかない——
    その事実を知ったのは、入社して間もない頃だった。

    気づけば私は、会社の諸連絡をつなぐ“パイプ役”になっていた。

    一方に報告すれば「勝手にしろ」。
    もう一方に伝えれば「なんでそんなことになるんだ」。

    言葉の端々から、私を経由して伝わってくる嫌悪感。
    まるで、2人の感情の矢が私に向かって飛んでくるようだった。

    さらに、一方からは終わりの見えない愚痴を聞かされる日々。
    ぶっきらぼうで、不機嫌をそのまま空気に流す人。
    几帳面で、細かなところまで気づいてくれる人。

    性格は真逆。
    まさしく「一長一短」そのものだった。
    足して二で割れば、ちょうどいいくらいなのに。

    そんな2人の間に立つのが、私の役目になってしまったのだ。

  • 会社の中で誰も触れなかった現実──同族企業の一員として

    会社の中で誰も触れなかった現実──同族企業の一員として

    これまで見過ごされてきたものが、たくさんあった。 それを見ようともせず、自分本位で全てやってきたのだろう。

    いつか必ず向き合わなければならなかったもの。 その代償は、あまりにも大きい。

    理解しようともしない。 改善しようともしない。 昔の固い頭のままでがんじがらめ。

    今の時代に合わせて改善するべきことを、 私はただ当たり前にやっただけだ。

    それでも毎日は、常にしりぬぐいに追われているようだった。

    よくここまで経営できていたものだと、 プロではない私でさえ思わずにはいられなかった。

    私はやるしかなかった。 自分しかする人がいないからだ。

    後になって、この見過ごされてきたことの代償が 自分に降りかかってくることも知らずに。

  • 甘やかされて育った人の特徴

    甘やかされて育った人の特徴

    主人の父親は、まさに「甘やかされて育った人」の典型だと思う。
    昔は兄弟が多い時代で、彼はその中の末っ子。周りにはいつも女兄弟がいて、生活面も人間関係も、誰かが先回りしてサポートしてくれていた。

    お金の面では自立していたかもしれない。
    でも、人としての立ち振る舞いは、妻や姉妹がカバーしてきたのだろう。
    悩む必要もなく、困れば誰かが助けてくれる環境だった。

    そのまま大人になり、会社でも同じように振る舞う。

    黙っていれば誰かが何とかしてくれる

    自分の担当じゃないと言って逃げる

    責任のある立場なのに他責思考

    話し合いから逃げ、不機嫌をまき散らす

    自分が苦労しなければそれでいい

    そんな態度が積み重なり、弱い立場の人にしわ寄せが来る。

    そしてその“弱い立場”が、いつも私だった。

    私は会社でも家庭でも、主人も従業員も、そして主人の父親さえも守ってきた。
    でも、ふと気づく。

    私のことは、誰が守ってくれるのだろう。
  • 経理の私が感じた“現場とのズレ”──前任者の影に揺れた心

    経理の私が感じた“現場とのズレ”──前任者の影に揺れた心

    業務に関する情報も、私には回覧で回ってくるだけ。
    現場は楽しそうにコミュニケーションを取っているのに、
    私はその輪の外側にいた。
    卑屈になるしかなかった。

    前任の経理は経験も長く、車の運転ができないため、
    部下の事務員に外回りをさせていた。
    経営陣という立場もあり、権限もあった。

    そして毎日のように自腹でお菓子を配り、
    事務員を“かわいがる”存在だった。

    私は、物で釣っているとは思いたくない。
    けれど、顔色を伺われて人を利用するのも嫌だった。
    自分がそうされてきたから。
    媚びるような関係も、イエスマンを作ることもしたくなかった。

    必要な場面もあるのかもしれないが、
    私は必要ないと思った。
    孤独をさらに自分で選んだのだ。