トップ2名が、互いにほとんど口をきかない——
その事実を知ったのは、入社して間もない頃だった。
気づけば私は、会社の諸連絡をつなぐ“パイプ役”になっていた。
一方に報告すれば「勝手にしろ」。
もう一方に伝えれば「なんでそんなことになるんだ」。
言葉の端々から、私を経由して伝わってくる嫌悪感。
まるで、2人の感情の矢が私に向かって飛んでくるようだった。
さらに、一方からは終わりの見えない愚痴を聞かされる日々。
ぶっきらぼうで、不機嫌をそのまま空気に流す人。
几帳面で、細かなところまで気づいてくれる人。
性格は真逆。
まさしく「一長一短」そのものだった。
足して二で割れば、ちょうどいいくらいなのに。
そんな2人の間に立つのが、私の役目になってしまったのだ。
経理の視点で見えた異変【第3話】


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